馬良 季常

三国志の物語は、今よりおよそ1800年前の「実際にあった中国の歴史」です。
今まで、たくさんの様々な小説家・漫画家がこの「歴史」を題材にし、作品に残して参りました。

‥‥では、我々は何を読み、何を基準に三国志を捕らえれば良いのでしょうか?

三国志は大きく分けて、「正史」「演義」
2つの種類に分類されます。

三国志を全く知らない人へ送る、専門用語を一切使わない三国志説明ページ
HOW TO 三国志
その3:いろいろな三国志物語
「正史 三国志」と「三国志演義」の違い



実際にあった歴史としての三国志・「正史 三国志」


「正史」とは中国に残された、文献を元にした歴史書です

ひとことで申し上げますと、カタくるしい歴史書です。
「○○○年、だれだれがこれしてあーしてこうなった」などの
ただタンタンと当時の出来事が記載された
とってもカタくるしい歴史書です。

このサイトを閲覧しに来ているような同人好きの人にはあまり面白くない代物ですね(笑)

諸葛亮先生の「ちょっと豆知識」

「正史」作者は陳寿(ちんじゅ)さん。
三国志の時代より、ちょっと後に書かれました。
しかし、この陳寿さんの書いた「正史」、あまりに事務的で淡々としておりました。

「そりゃあねえよ、もっと奴らって、こう、いろいろと…活躍したじゃないすか!」と、
西暦429年、この「正史」に注訳をつけたのが裴松之(はいしょうし)さんです。


しかしこんな事は覚える必要はありません。




「正史・三国志」の娯楽物語仕立て「三国志演義」


「演義」とは、正史を元に制作された「娯楽物語」です。

「正史・三国志」が完成したおよそ1000年後。
自分の国の過去の素晴らしい歴史に、いたく感動したとある小説作家さんがおりました。

この中国人の小説作家さんは、「正史・三国志」の登場人物「劉備玄徳」を主人公にし
彼が無名の青年時代からのサクセスストーリーを、創作小説にしました。
その本のタイトルは「三国志演義」。これがまぁ、とっても面白いシロモノだった訳ですね。
この人は劉備様の大ファンらしく、すべて劉備様を中心に、
劉備様の都合のいいように話が進んでいきます。
おかげで劉備様のライバルは悪役にかかれる有り様です。‥‥‥‥ですが、これは創作ですので。


現在「三国志」といわれているストーリーやエピソードは、
この作家さんの書いた「三国志演義」が元になっています。

諸葛亮先生の「ちょっと豆知識」

「三国志演義」作者は羅貫中(らかんちゅう)さん。
「三国志演義」は略称で、正式には「三国志通俗演義」という書物です。
それまでに中国大陸に伝わってきた三國志時代の民間講談や演劇を独自につなぎ合わせて、「小説」として一本にまとめた素晴らしい作家さんです。

この小説作家さんが存在しなければ
こんにち、ここまで三国志が普及することはなかったでしょうね。

しかしこんな事は覚える必要はありません。




演義を読めば、三国志が分かりますか?


分かります。正史はシカトしてしまいましょう。

三国志マニアなどと呼ばれる、とってもとっても歴史に詳しい人は、
「演義ではこうだが、正史ではこうなんだゼー!フフフン!どうだ詳しいだろう、ヘヘヘン」と
聞きたくも無いうんちくをタレてきますが
あっさりサクッと
シカトしましょう。演義で十分です。




では、何を読めば演義を満喫できるのでしょう?入門書は?


「吉川英治三国志」「横山光輝三国志」と断言します。

実際にあった歴史をまとめた「正史」。
これを参考に作られた物語が「演義」です。

そして、この
演義を参考に作られた物語
「吉川三国志(小説・文庫版全8巻)」
「横山三国志(コミックス全60巻)」  です。



こちらは初心者でも大変に分かりやすく丁寧な話しの運びで、楽に三国志物語が理解できます。
これ以上の入門書はないと断言できましょう。

これらを読んでから、他の様々な三国志を読むのが一番かと思われます。

諸葛亮先生の「ちょっと豆知識」

本宮ひろ志先生著「天地を食らう」。

これを最初に読むのだけは辞めて下さい。
いきなり劉備が天空にあがり、地獄に落ち、鬼と戦い、鬼の内臓を食い、
また地上に降臨するという
本宮先生らしい男らしすぎるストーリーです。

とてもとても面白い傑作ですが、
これを最初に三国志だと理解するのは
悲劇すぎまする。




この二作品は、どこに売ってますか?


本屋さんです。

「吉川英治の三国志、ありますか?」
「横山光輝の三国志、ありますか?」

有名図書なので、これで100%本屋さんは理解します。
これで分からなかったら、その本屋さんの店員は
職務怠慢と申せましょう。




よ、予算は‥‥


様々です。

小説「吉川英治三国志」は、文庫で10巻もいかないので
3000円くらいで事足りるでしょう。

漫画「横山光輝三国志」は、現在
「コミックス版(60巻)」と「文庫版(30巻)」が出版されています。
こちらを新規に購入するのなら、お金は‥結構かかってしまいますね。
‥‥‥‥お勧めなんですけどね。

まず最初のほうだけ購入するとか、古本屋などを覗いてみては如何でしょうか?




面倒なので読みたくないんですが…


そうですね、長そうな話しですもんね。

‥‥‥とりあえず、何かの縁です。最後までおつき合い下さいませんでしょうか?





理解できましたでしょうか?
できましたら「その4」へお進み下さい。