馬良 季常

三国志には、『絶対これ!』といった原作(キャラクターデザイン)がありません。もちろん漫画やアニメになったりしてキャラデザが決まっている作品もございますが、基本的に三国志はオリジナルジャンルです。
左様な訳で絵師は皆、各々好き勝手に作品をあげているものなのですが…実は必ずどの武将にも
特定のイメージというものがついてまわります。

このページでは、三国志を知らなくても武将が見抜ける術を伝授致します。三国志を読まなくても人物イメージを把握していれば万事オッケーと言う事にもなりましょう(邪道ですが)。

三国志を全く知らない人へ送る、専門用語を一切使わない三国志説明ページ
HOW TO 三国志
その5:「人物の特徴」





ここに、オリジナルの絵でかかれた、「三国志に出演する君主」が3人居ます。
「人物の特徴」を極力全面に出した絵です。


















































































































































悪役っぽい
三白眼の
オッサン
金髪碧眼の
モミアゲな
わかいひと
優柔不断そうな
福耳の頼りない
オッサン

魏の君主
曹操 孟徳
そうそう もうとく

呉の君主
孫権 仲謀
そんけん ちゅうぼう

蜀の君主
劉備 玄徳
りゅうび げんとく

オリジナルの三国志の絵を見なれている人が見れば、これらは即座に誰が誰だか分かります。
(この絵の執筆者の画力の無さによる「絵の上手い下手」は、申し訳ありませんがスルーしてあげて下さいませ)


この「人物イメージ」はもちろん私が作ったものでなく漠然と存在するものであります。もちろん忠実にイメージを守って描いている人もいれば制作者の全くのオリジナル武将として描かれている場合もございますが、一般的に「人物イメージ」といわれるものは確実に存在します。

この人物イメージを守らない絵は、
横に名前を書くなどの処置を施さないと誰がどれだか全く分かりません。(例1)


例1:
これが夏侯淵と言われても



例2:
絶対的な「武将イメージ」をファンに植え付けた要因のひとつとして光栄(koei)ゲームの存在が大きいかと思われます。

三国志ファンが例2の絵を見たとき、描かれている8人の人物について、人物特定がすぐに出来てしまうでしょう。

三国志のファンならば容易に人物を断定できるヒントが盛り込まれているからです。

このヒントというのは勿論「顔デザイン」だけではありません。「状況」と「特徴」のヒントも含まれます。



文字情報がなくとも、
キャラクターデザインが変わっても、
絵を描く絵師が変わっても…

武将が武将として存在できる、
それが「三国志」なのです。



他のパターンを覚えましょう


一例です。

これは両方、関羽です。
「関羽には必ずクソ長いヒゲ」
このルールさえ守れば、関羽です。

極端な話、茶髪だろうがハゲであろうが
作者が「これは関羽。だってヒゲが長いでしょう?」といえば、それはもう関羽になってしまいます。否定する事はできません。

例:ヒゲが長けりゃ関羽

どんな絵柄でも、
「人物の特徴」を守れば
有無をいわさずその人物に
なってしまいます。

例:羽扇持ってりゃ諸葛亮

それぞれの人物には、揺るぎない設定があります。

「人物イメージ」があべこべに描かれた絵は、たとえ
絵の横に「趙雲」と説明があっても
「なんだこれ張飛じゃねーか」と突っ込まれます。

三国志とは
一般のアニメや漫画のように
キャラクターデザインが決まっていないジャンル
ですが、
絵師や作家は漠然とこのようなイメージを守る傾向にある様です。


トラ鬚の酔っぱらいは、張飛
まゆげが白ければ、馬良


また、キャラクターデザインの他にも、
「これをやっていたら●●だよね〜」といわれる
人物の行動・状況によるイメージというものも確実に存在します。


赤ちゃん抱いてれば、趙雲
ろうそくを蹴っ飛ばしてれば、魏延

「どうして、趙雲は赤ちゃんを抱いているのか?」
「どうして、魏延はろうそくを倒しているのか?」

こんな疑問が出ればシメたものです。
その答えを求める事こそが、直接三国志の物語に触れる導きになりましょう。

三国志を知るミーハーな探究は終わる事がありません。
常にこの疑問→納得のくり返しを楽しめます。
知った時の喜びは、とてつもないものです。

全てを知り尽くしても、世の中にあふれる三国志メディアがあなたを飽きさせません。



………おお、そうです。

こちらのお客さまにはガンダム愛好の人が多いかもしれません。
ひとつ、分かりやすい例を提示してみましょう。



『なにやってんの!』と叫んでいれば、ブライト。

諸葛亮先生の「ちょっと豆知識」

分かりやすいといえば分かりやすいですが……。
少々例えが違ってしまったようですね。

ガンダムの場合は歴然とした「キャラクターデザイン」があるため、
ブライト殿は「なにやってんの」と叫ばなくてもブライト殿です。
見れば分かります。




(ヒゲ)と鎧(ヨロイ)について


無くても有っても、支障はないとされています。

これらは描き手(書き手)の好みの問題であって、
ヒゲの有無、鎧か着物かなどは人物を見分ける基準にはなりません。

ただし、
関羽と張飛だけは髭がないと異端作家と思われるほど
髭があるのがポピュラーです。

「クソ長い髭は関羽」「トラ髭は張飛」の認識で、大概は解決するかと。




キャラデザが存在する三国志には気をつけましょう。


とてつもない罠が潜んでいます。

作品としてキャラデザが存在する「三国志世界」には、
時々
ファンをビックリさせてしまうほどにイメージをブチ壊した人物が登場します。
それを鵜呑みにするのは大変に危険です。危険すぎます。


一般に言われている
趙雲のイメージ像

●美丈夫
●さわやか
●美形
●格好良い
●スマート
●素直
●性格良し
●若い
●忠義の士
●有名武将
●強い

例:横山光輝三国志の趙雲 VS 同人誌によく出て来る趙雲

漫画家・横山光輝先生は、一大傑作「三国志」執筆にあたり、
美形でさわやかなイメージの美形青年武将を
かくもあっさり
ドカベンのようなデブに描いてしまいました。
この「横山趙雲」は、女性の趙雲ファンを
奈落の底にたたき落としたと言われています。
この「横山趙雲」は、一般には「異端な趙雲」として認識されているようですが、
このドカベン趙雲が大好きで大好きでたまらない男性、むしろ女性も存在する事を特筆しておきます。




罠の回避方法は?


頑張って努力です。

身近に三国志ファンがいれば、その人に聞く事によって回避できます。
(例「趙雲ってどういうイメージかなぁ?」)

残念ながらその環境にない場合は、
様々なメディアの三国志に自分で触れ、覚えて行くしかありません。
しかし、この武将イメージを極めればもう
三国志の最初の段階を克服したも同然と言えましょう。

諸葛亮先生の「ちょっと豆知識」

なんにせよ……
『小学生の頃に見たアニメ三国志に登場した金髪曹操』などの
おもいっきり間違った武将イメージを、
成人まで信じて認識し続けるなんて事は悲しい事です。
(とある人の実話)







本日のおはなしはここまで。
また続きの資料が見つかったら、講議させて頂きます。